【読書感想】七十歳死亡法案、可決 (垣谷美雨)
ここ数か月、垣谷美雨さんの本ばかり読んでいる気がします。
結婚、老後、高齢化、住宅の問題などの社会問題を題材にされていて、どの本を読んでみても次が気になりあっという間に読めてしまいます。
今まで小説を読まなかったけど、新しい世界を知った感じがします。
今回は図書館で見つけた七十歳死亡法案、可決 (幻冬舎文庫) [ 垣谷美雨 ]のタイトルが気になり読んでみました。
【あらすじ】
2年後、お義母さんが死んでくれる。
「家族」の本音を、生々しくリアルに描く新・家族小説。
≪家族って一体なんだろう?≫2020年、65歳以上の高齢者が国民の3割を超えた日本。社会保障費は過去最高を更新し続け、国家財政は破綻寸前まで追い詰められていた。そこでついに政府は大きな決断を下す。「日本国籍を有する七十歳以上の国民は誕生日から30日以内に死ななければならない」という七十歳死亡法案を可決したのだ。2年後に法律の施行を控えたある日、ごくありふれた家庭の宝田家にも小さな変化が起こり始めていた。義母の介護から解放されようとしている妻、家のことはすべて妻に任せきりの能天気な夫、超一流大学を卒業しながら就職に失敗し引きこもっている息子、ひび割れかけた家族から逃げ出した娘、寝たきりでわがまま放題の祖母。一番身近で誰よりも分かってほしい家族なのに、どうして誰もこの痛みを分かってくれないんだろう。究極の法律が、浮びあがらせた本当の「家族」とは?大注目の作家が、生々しくリアルに描き出す、新・家族小説。
<Amazon 内容紹介より>
【感想】
衝撃的なタイトルでワクワクしながら読みました。
わたしの祖母が80歳を超えているので、もし現実でこのような法案が通ればつらいに違いない。
しかし、もし自分が主人公のように寝たきりの老人を介護している立場だったら…
介護から解放される…とホッとすることだろう…
小説にも出てきたように若者はこの法案に賛成多数になる可能性が高いのではないか。
この小説では最終的に全部いい方に向かうが、現実はそんなに甘くない。
自分が介護することも、自分が介護されることを考えてもつらい…
健康なうちに自分がやりたいことを精一杯やって楽しみたい!
垣谷美雨さんの本は、社会問題が題材にされているのでどの本を読んでもおもしろいので、また他にも読んでみようと思います。